映画見てかなり意味合いが変わってしまった。こういうのってネタバレ含むって書いた方がいいのかな?
しんどかった。考える余白がある映画は良い映画だなと思う。事実はひとつで解釈は様々だから。だからこそしんどかった。
UDIと機捜の人たちがきちんと生き続けたのがわかったのはとてもよかったけれど、この後エレナと孔が生き続けているところが見えないとあまりにも救われない気持ちになる。救ってくれ〜。
にしても毛利刈谷ペア、良かったなかなり。そっとフォローする毛利さん、スマート。指摘されても言えないのに荒ぶって指示する刈谷さん、かわいいしかっけえ。てか2人ともスタイル良、身長高え、脚長魔人じゃん。
伊吹志摩のコンビが変わらないけどちゃんと手綱引かれてる感じ。周りの人間が伊吹のきゅるっと発言の解読を当たり前のように志摩に任せるの飼い主って感じ。勝俣くん、保護観察だったとしてもその後真面目にやってきたから交番でもなく機捜配属なんだろうね、陣馬さんと組まされてるのもわかる。キャリアのぼんぼん九ちゃんと任せられるの陣馬さんしかいなかったし、さすが信頼と実績の班長、陣馬さん。てか麻生久美子の制服かっこいい〜!
中堂さん、くそを人質に取られて坂本さんと東海林にからかわれてんの柔らかくなったね〜。いつまでもUDIの末っ子六郎、白井くんとバッティングしてんのもよかった、白井くん生きててよかった、病院は走るなよ。中堂さんは恋人を殺されたことがあるからあの発言だったんだろうけどミコトの言う通りだよ、そんな根性あんなら美味いもん食って寝ろ。
あのロッカー、エレナが先に気がついたのは心を病んだことがあるからなのかな、孔は前の仕事のことを悔やんではいたけど病んではいなかったのかも。ロッカーが過剰供給なのにエレナが来るまで捨てられず残っているのは前任者たちの罪悪感なのか。前任者の中でロッカーの式の意味に気がついた人たちはいるのかな。
最後を考えると救われた人もいる。八木さん(中間管理職、本当にお疲れ様)や松本さん(元夫を頼ったと思って怒ったあと誤解解けて良かった)や佐野さん(良い製品作ってたんだな)、エレナも辞めさせられたけど良い寝顔だった。けどあまりにも救われなかった人たちの救われなさがシビア。 もし起きれたとしても父親は病死で恋人は死んでしまった上に人を巻き込んでいると知るのはあまりにも酷だし、なにより彼が目を開けたあと、止まらなかったことが辛い。自分がしたことが無駄だったと理解ればそりゃ馬鹿なことをしたって思うし、そんな世界でもう生きていたくなかったのかも。そして五十嵐、お前がするべきことは稼働率をあげることではない。マジックワードに騙されることでもない。落下防止策を練ることだ。五十嵐が、ロッカーのことを知らなかったとしても仮に事故だったとしても起こったなら最初にするべき対策だった。過去逃げたものをもう一度見つめ直すのはかなりつらいだろうけどするべきだった。稼働率を気にするより先に。五十嵐とエレナの違いは群れに立ち向かう群れを作ることができたかどうかかな、難しい。休職したのに復帰すぐセンター長ってさすがの回収という頭の良さだった。群れが個から成ることをアメリカで働いて知ってたからあの手段が取れたのかな。日本では群れのために個を無くすから。群れと戦う手段を作れなかった五十嵐は五十嵐で立場とか視点を変えたら気の毒かもしれないけどエレナのせいにしたり逃げ続けていることへの嫌悪感は無くせない。嫌いだけど死んでほしいわけではないから、ロッカーに気がついたあとの五十嵐は心配にもなる。孔はどうするんだろうか。とりあえず飛び降りや踏み外し防止の対策をするだろうか。してほしいな。
アンナチュラルもMIUも結果救われてスッキリする終わり方だった。ドラマだからもあると思う。映画は観たい人が観るもので考える余白を作れるからああいう終わり方ができるんだとも思った。ヒーローや主人公は最後には笑って勝つものだという先入観があったから余計にしんどいんだと思う。これだけ考える余白がある。良い映画だな。なによりクレジットのあとのあの文言、素晴らしかった。
伊吹の言う通り、生きてりゃ何回でも勝つチャンスはある。
夏代さんの言う通り、生きてる限り負けないし。
負けそうになった時はあの文言のように、誰かを頼ればいい。